My Little Love[Archetype]ULALA

深海から空へ 上昇と希望の軌跡:My Little Love

深海から空へ 上昇と希望の軌跡:My Little Love

2026年5月1日

My Little Loveの制作過程を思い出しながら書いています。

楽曲の始まりのアイデア自体は2015年2月にありました。そこから間が空いて2023年4月にメロディラインと方向性が整っていましたが、まだ柔らかい粘土のような状態です。2025年6月に現在の形に一気に定まりました。

漫画『ブルーロック』から着想

この楽曲の完成に向けてのインスピレーションの種となったのは、私の子供が読んでいた日本の漫画『ブルーロック』でした。「深く沈んだ場所から、もう一度上を向くこと」。それが本作の大きなテーマとなっています。

生きていれば、突然すべてが暗く感じられたり、言葉を失ってしまうような瞬間があります。さらに、約束されていない未来や困難な夢に挑む道の途中なら、なおさらでしょう。誰もしていないことに挑戦すればするほど、打率は下がり、傷つく確率は上がり、孤独は増すばかりです。しかし、その深い絶望と静けさの中でも、なぜか消えないものがある。苦しくて進めないと思っても、胸の奥で小さく灯り続ける何か。それを本作では『小さな愛(My Little Love)』と表現しました。

My Little Love
My Little Love[Archetype]ULALA

不思議な引力

気泡が水面へ向かって浮かんでいくように、その『小さな愛』は、時として本人の意思や理屈よりも先に、未来へ向かって動き始めます。たとえ確信がなくても、気がつけば吸い寄せられるように上を向いている。その不思議な引力に、人は迷いながらも何度も救われるのかもしれません。

歌詞には「深海(傷ついた心)」「水面(息をつぎ直す場所)」「空(無限の可能性)」といった上昇のイメージを、生命の進化論のような道筋で描き込みました。アートワークで表現されている「世界を反転させ、水面を越えてさらに空へ向かう気泡」も、このテーマと強くリンクしています。弱く儚いものであっても、未来へ向かおうとするその動き自体が何よりも尊いと感じています。

小さな気泡(希望)がそっと動き出す瞬間

『My Little Love』は、巨大な力や華々しい成功を賛美する歌ではありません。心の奥で眠っていた『小さな愛』が、もう一度未来を照らし始める、その静かな瞬間を切り取った作品です。小さな気泡(希望)がそっと動き出す瞬間は、とても不思議で興味深いものです。

中野圭造

Keizo Nakano

Songwriter / Guitar

小学4年生の時にビートルズを聴いて感動し、中学生でバックトゥザフューチャーを見てギターをはじめ、高校生でバンドを始めて、サラリーマンをし、起業し、また曲を書き始めました。←今ここ

My Little Love[Archetype]ULALA

My Little Love[Archetype]

15歳のボーカリスト・ULALAによる3rdシングル。
この楽曲は、ひとつの物語の主人公を追いかけるように進んでいきます。夢の途中で深く傷つき、挫折を味わった主人公。それでも、深海から水面へと向かう気泡のように、不確かな未来を再び信じて浮かび上がっていく。

歌うULALAもリスナーも、そんな主人公の姿を少し離れた場所からそっと見守る存在です。『ネバーエンディング・ストーリー』のように、ページをめくるたび物語の世界へと吸い込まれていく。そんな不思議で温かい感覚をぜひ体験してください。

Published On: 2026年5月1日Categories: コラム:ライナーノーツTags: