
月まで連れてって|ULALA(うらら)[Archetype] Recording Note
月まで連れてって[Archetype]のボーカルに、ULALA(うらら)さんが参加してくれました。
初めてのレコーディング
彼女にとって初めてのレコーディングでした。
レコーディングというのは、その瞬間が永遠に記録されてしまうと考えたりすると、とても緊張してしまい、本来のベストパフォーマンスを出すことがとても難しいものです。ギターで例えると、気づかないうちに指板を押さえる力が入り過ぎたり、脱力したピッキングができなくなったりします。これは当然のことです。また、ベストテイクを狙いに行くはずが、OKテイクを狙いに行ったりしてしまいます。これも当然のことです。
特に、初めてのレコーディングということでしたので、「今回は練習。後日、本番のレコーディングをしましょう」というスケジュールで臨みました。
最初はレコーディングブースのドアを開けっぱなしにして、一緒に来られていたお母さまがいらっしゃる部屋との行き来ができるようにしながら、まさに『レコーディング体験』として始めました。途中でゆっくり休憩をはさみながら、約3時間くらいで終了。

Smells Like Teen Spirit
前述したとおり、はじめはラフな環境で録音していたので、録音したトラックには外の話し声や空調のノイズなども含まれていました。しかしそこには、緊張感と、新しいことにチャレンジしようとするエネルギーが満ち溢れていました。ベストテイクやOKテイクとは異なる、まさにその瞬間しか録れない『Smells Like Teen Spirit』が録音されていました!みんなで相談した結果、録り直しはせず、このまま進むことがベストだと判断しました。※最終的な仕上げでは不要なノイズ処理をテクノロジーで解決。
そもそも私自身が心を打たれた楽曲やアーティストの多くは、定規で引いた線や辞書で調べた言葉のような音楽ではありません。特に『月まで連れてって』という楽曲はエネルギー溢れる十代の躍動を描いた曲です。名前の付いた技や、数値化できるような何かではない、本人の内側から溢れ出す純度の高い情熱のような歌の力が、この楽曲を『狙ってできない特別な音楽』へと押し上げてくれました。
不安定なスリル感という魅力
プロトタイプ(デモ)の段階ではエレクトリックサウンドをベースに構築していましたが、ULALAさんのボーカルが入ったおかげで、クリアなシンセサイザーのサウンドだけでは熱が足りず、粗削りなギターのオーバードライブサウンドが必要でした。規則正しい4つ打ちのリズムの上に乗るインディーズロックのような不安定なスリル感が、他には無い魅力を感じさせてくれます。
私にとっても、ユニークで大切な楽曲となりました。ありがとうございます。
使用機材
Vocal
NEUMANN M149 Tube
Electric Guitar
Gibson Custom Shop 1959 Les Paul with PAF
James Tyler Studio Elite HD, White Shmear
Fender American Standard Telecaster
MATCHLESS Laurel Canyon 1×12 w/ Reverb
AKG D112MKII
SHURE SM57
Acoustic Guitar
Gibson Hummingbird
NEUMANN M149 Tube
SHURE SM57

月まで連れてって[Archetype]
15歳のシンガー ULALA によるファーストシングル。彼女にとって初の作品となる本作には、15歳ならではの感受性と透明感が鮮やかに刻まれています。新たな出会いは、ときに創作の原動力となり、強いエネルギーをもたらします。人生には、その瞬間にしか歌えない感情、その瞬間にしか生まれないサウンドがあります。そうした一瞬のきらめきを楽曲として結晶化することの尊さが、この作品には確かに息づいています。




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