
ペペロンチーノ|ULALA(うらら)[Archetype] ライナーノーツ
『ペペロンチーノ』の制作を思い出しながら書いています。
10年以上の時間を経て開花
『ペペロンチーノ』は、10年以上の時間を経て開花した曲です。
原曲を書いたのは、私の弟。
ULALA(うらら)さんに合う楽曲を探していた頃、何気ない会話から、彼が昔作っていた曲の話になりました。当時の制作環境はiPhone一台。ボーカロイドに歌わせた、荒削りなデモがいくつも残っていました。
その中に、この曲がありました。
ずっと同じコード進行が繰り返されるシンプルな構成が、完成されたメロディと歌詞を際立たせています。
余計な装飾に頼らず、無駄なものを完全に排除しきった曲は、何百年も続く老舗の和菓子のような印象で、伊勢名物の『赤福』のような魅力を感じます。


メロディと歌詞を受け継ぎながら、一からサウンドを重ね、世界観を創っていきました。デモを作った段階で、大きなアレンジは野暮であることを感じました。そこで、楽曲が持つ根源的な魅力を崩さず彩るアレンジとして、英歌詞を載せることになりました。
そして、その過程でタイトルも決定しました。
ペペロンチーノ
オイル、ニンニク、唐辛子、アンチョビ、イタリアンパセリ、パスタ。
使うものは少ない。
ごまかしも利かない。
だからこそ、素材とバランスがすべてになる。
そして、晴れた日に誰かを想い、雨の日には傘を忘れていないかと考える。この曲に描かれている、何でもない日常の中にある小さな刺激にも、どこか唐辛子のようなものを感じました。
限られた素材だけで圧倒的な旨味を引き出すこの美学と、歌詞が表現する日常のスパイシーな純粋さから、タイトルも『ペペロンチーノ』に決定しました。
歌がアレンジを連れてくる
日本語バージョンは、もともとの楽曲が持つ煌びやかな世界観の延長線上を進めていきました。英歌詞バージョンも、最初は同じ伴奏でミックスの調整だけを行いながら進めていたのですが、ULALAさんが歌った英語バージョンのボーカルトラックからミュージカルのテイストと熱を強く感じたので、歌の引力に吸い寄せられるように、アコースティックサウンド寄りに変更しました。
結果、すべてのバランスが整ったときには、美味しい和菓子を味わうような、絶妙のバランスでこそ成り立つパスタのような、特別な感動を得ることができました。
その勢いで、ジャケットのパスタも作りました。
※撮影後、スタッフが美味しくいただきました。


ペペロンチーノ-Peperoncino[Archetype]
16歳のボーカリスト・ULALA(うらら)による5thシングル『ペペロンチーノ』。
10年以上前に書かれ、iPhoneとボーカロイドによるデモとして眠っていた一曲。時を経てULALAと出会い、メロディと歌詞はそのままに、サウンドを一から再構築しました。
この楽曲には、日本語バージョンと英語バージョンが存在します。
日本語バージョンでは、原曲の歌詞とメロディが持つ世界観を受け継ぎながら、軽快な4つ打ちのリズムと煌びやかなサウンドで、新しい『ペペロンチーノ』へと仕上げました。
英語バージョンでは、ULALAが歌った英語のボーカルトラックから、ミュージカルを思わせるテイストと熱が生まれ、その歌の引力に導かれるようにアレンジも変化し、よりアコースティックなサウンドへ。
同じメロディ、同じ物語でありながら、言葉が変わることで生まれた、もう一つの『Peperoncino』です。





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